新作


2025.12.12
J2509「バックベルトコート」

後ろのベルトがポイントのチェスターコートを作りました
トレンチコートとチェスターコートの要素をかけ合わせたような、羽織りやすい軽いコートです。
正面から見るとシンプルなストレートのコートですが、横から見ると脇に縫いこまれたベルトでウエストが軽くシェイプされたシルエットになります。
バックスタイルがレディライクなデザインで、気分が上がるコートに仕上がったと思っています。

身幅に適度なゆとりがあり、オーバーサイズの手前くらいのサイズ感です。
そして後ろのベルトはピッタリではなく、後ろのウエストだけが軽く身体に沿うような仕上がりにしてあります。
もちろん基本はベルト無しの状態のストレートシルエットで作られているので、ベルト無しでもすっきりとしたストレートラインに仕上がります。
ダブルブレストで釦あきですが、アレンジでスナップを使用する事も出来ます。

そして、衿先の形が2種類作れるようになっています。
直線が交わるシンプルな角のある衿先と、カーブが柔らかい印象のカーブの衿先です。
衿先の形で印象はずいぶん変わりますので、素材に合わせて選ぶのも楽しいですね。高過ぎない衿腰で、ウエストの少し上で折り返る衿は柔らかい印象です。

肩幅も適度な広さで肩先が少しドロップして、肩に馴染んで丸みのある形になる様に作りました。
袖も少し丸みがあり、袖口に向かって細くなりますが、袖口が広めで折り返す着こなしも出来ます。袖幅も適度に広く、重ね着もしやすいです。
選ぶ素材も、コートに使われる厚みのウール素材からトレンチコートなどの中厚程度の厚みの素材まで作れるようになっています。

少し濃いめのベージュ素材は綿のタイプライターダンプです。ダンプとはダウンプルーフ加工の事です。
タイプライターダンプの中では厚みのある方で、高密度でハリ感があります。しなやかで表面はマットな質感です。
トレンチコートに使われる綿バーバリーと比較して、より軽くやや薄いので広がり過ぎないシルエットで軽い仕上がりになります。着まわしやすいコートになりました。
こうした服地の進化は、作る側にとってとてもうれしい事です。個人的に、バーバリー素材よりも長い季節着れる薄手のコートに仕上がったと思っています。
アレンジで衿、身頃、袖口のステッチには30番手の太めの糸を使いました。サンプルには裏地は付けましたが、裏地なしの一重仕立てにする事も出来ます。
衿先はシャープな印象の角を選びました。直線の角の形は、厚みの少ない素材の方が衿先がきれいに仕上がります。釦はベージュの素材に対して、こげ茶色を選ぶと全体に引き締まると思いました。
バーバリーやギャバ、カツラギなどの素材で作るとしっかりと秋や春に羽織れるコートに仕上がると思います。

濃いグレーの素材はダブルフェイスのウールビーバーです。
ダブルフェイスで詰まった織り目でビーバーの中ではやや厚みがある方です。柔らかくしなやかで短めの毛足で暖かさがあります。
素材感が良かったのでこの素材を選びましたが、ダブルフェイスだから選んだわけではありませんでした。が、結果としてやや厚みがある為、シルエットがしっかり出た暖かいコートに仕上がりました。
ベルトを縫う時に布の重なり部分が心配でしたが、針の通りも問題なかったです。
衿先をカーブにしたので、丸みが柔らかい印象です。厚みのある素材の素材の場合は、衿先の形がカーブの方がもったりせずにきれいに仕上がると思います。
釦は素材より濃いめのグレーを選ぶと見た目が引き締まると思いました。
ビーバーの中でも薄手の素材を使った場合は、シルエットがハリ過ぎず柔らかい仕上がりになると思います。

コーディネートは、ベージュと合わせているワンピースは参考商品、グレーのビーバーと合わせているブラウスも参考商品、スカートは「S2508ナロータックスカート」です。

詳細は「catalog」のページの「coat」のページをご覧下さい。